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日本一の『ロンドンタクシーコレクター』土橋正臣

鎌倉アンティークス代表の土橋は、好きになったらとことん本物にこだわり、オリジンに近づくべく努力を惜しまない主義。20代で衝撃を受けた英国のアンティーク文化への愛は、現在も衰えるどころか、より強くなっています。

そして、その英国愛のひとつの形が、今回ご紹介するロンドンタクシーコレクションです。


ロンドンタクシー3台


【日本一のコレクション】


土橋が所有するロンドンタクシーは、1955年から2000年までのモデル計10台。すべての年代を揃え、これは個人が所有するロンドンタクシーとしては日本一です。これらが並ぶとモデルチェンジの状態が一目でわかり、ロンドンタクシーの歴史を感じさせてくれます。


このコレクションの特筆すべき点は、すべて稼働しており、1955年製のオースチン FX3にいたっては『ナンバープレート』『メタルバンパー』『タクシーサイン』『料金メーター』『ロンドンタクシーライセンスカード』もオリジナルで付属されており、マニアの間では憧れの存在となっています。


ひとたび、このロンドンタクシーに乗り込めば一瞬にして英国にタイムスリップ。英国に魅せられた土橋にとって、日本でロンドンタクシーに乗るという選択は、いつでも英国を身近に感じることのできる最良の手段と言えます。


 

【代表的なモデル】


ロンドンタクシーの基礎となるモデル:FX3

FX3

FX3は、FX・FX2という先行車両でのテスト後、1948年に発表され、1958年までに12,000台以上を生産した初代ロンドンタクシー。ロンドンをはじめとする英国内のタクシー需要における大きなシェアを占めました。生産末期には、メーカー生産またはユーザーによるパーツ交換によってディーゼルエンジン搭載も行われるようになり、英国におけるタクシーのディーゼル化の端緒となったモデルです。

なお、この当時からボディ架装は、ボディ生産メーカーのカーボディーズ社が受託していました。


ロンドンタクシー界のベストセラー:FX4

FX4

BMCが1958年に開発した新型タクシーのオースチン FX4は、製造メーカーの所属変更・改良を重ねながらも、タクシー業界の固定需要と、基本的な完成度・信頼性の高さによって生産が続行され、1997年まで40年近くにわたって約75,000台が生産されました。

このFX4シリーズはイギリス全土で標準型タクシーとして広く普及し、世界的にもロンドンタクシーとして知られたモデルになりました。


39年ぶりのメジャーモデルチェンジ:TX1

TX1

40年近く続いたFX4シリーズは、1997年に後継のロンドンタクシーとなるTX1の発売で、ようやく世代交代が果たされました。FX4の「ロンドンタクシー」としてのイメージがあまりに強く定着していたため、後継のTXシリーズもデザインモチーフはFX4風のレトロモダンデザインを採用されています。また、旧型の特徴だった観音開きのドアも、このモデルから一般的な開閉ドアになりました。


【ロンドンタクシーの歴史】


イギリスにおいては、辻馬車から移行する形で1901年から自動車によるタクシー営業が行われていました。そして早い段階から当局による規格が制定され、主要自動車メーカーと車体メーカーとの協業、または特装車専用メーカーによってタクシー専用車種が生産されるようになっていました。


『ブラックキャブ』の愛称で親しまれているロンドンタクシーは、20世紀初頭にオースチンにより製造され、いくつかの自動車メーカーを経て現在まで数々のモデルチェンジがされています。



【土橋所有のロンドンタクシー】

これらの車両は劇用車・撮影車両としてレンタル可能です。> 詳細はこちら


1955年 オースチン FX3



1967年 オースチン FX4



1978年 オースチン FX4



1980年 オースチン FX4



1987年 オースチン FX4S



1988年 カーボディーズ FX4S PLUS



1990年 カーボディーズ Fairway



1993年 カーボディーズ Big Ben



1997年 カーボディーズ Big Ben



2000年 LTI TX1


【自動車メーカーの変遷】


かつて長年に渡り、イギリス自動車メーカー最大手のブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)とその後身企業が「オースチン」ブランドで販売していましたが、1982年以降は実際の生産を担当していたカーボディーズ社に製造権が移管され販売されました。その後カーボディーズ社は、1984年に経営権移行でロンドンタクシーインターナショナル(LTI)と改称され、以後もロンドンタクシーはLTI社が生産していました。


2010年には、LTIの株式を保有していたマンガニーズ・ブロンズが、吉利汽車(ジリー社)に経営権を委譲すると共に、コスト削減のため車体の製造も依頼し、イギリス国内では最終組み立てのみを行うこととなりました。


構造は、馬車の伝統を受け継いで運転席と客室はガラス窓で完全に区切られており、後部座席は対面式、助手席部分は荷物置き場でお客さんを乗せることはありません。屋根の高い車体は、シルクハットを着用したまま乗降と着座が可能。また、ロンドン市街の狭い道や古いホテルの車寄せでも取り回しが容易なよう最小回転半径など性能面でも規定がありました。

ロンドンタクシーは現在まで何度もモデルチェンジを重ねてきましたが、これらの仕様は後年に至るまで引き継がれてきました。



▶これらの車輌は劇用車・撮影車両としてレンタル可能です。



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